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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を

「ありがとな。おまえのところは駅が近くて助かるわ。実は明日、会社の面接なんだ」

「今までの仕事を辞めたの?」


「ああ。元々、サービス残業や代休なしで不満があったからな。
逃げるような形になったが辞めて清々した。それに、辛くて自分が駄目になったら何もできねえし」

軽快そうに言った言葉の中にピンとくるものがあった。
荒れ模様の海を見に行った時、訳の分からない質問を私にしていたんじゃなくて相談していたんだ。

素直に言ってくれればいいのに……。


「それなら良かった……。次は揉め事を起こさないように女の子と付き合いなよ」

「うっ、うるせえな。おまえのところは灰皿ないんだっけ?それに飯を食わねえで飛び出して来たから腹減った」


「俺は煙草吸わないから灰皿はないよ。あと、晩御飯として今出せる物はカレーなら」


買い物でレトルトカレーは買ってないから、さっき作ったあのカレーを振舞おうとしているのかな。

何をしようとしているのか気になるけど足元しか見えない。

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