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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を

「おーい。歯ブラシが欲しいんだが、どこにあるんだ?」

――ズボッ!

近づいてくる足音と颯太の声が聞こえた時、耐久性が弱くなったダンボールの底が抜けた。私の足が外へと飛び出る。


「人形の足が出てるが大丈夫か……」

「こっ、これは重さがあるから底を突き破っちゃったのかな。歯ブラシは洗面台の下に新品の物があるから探してみて」

急いで足を引っ込めようとしてものせられる場所がなくて宙ぶらりんのまま運ばれた。

アクシデントはあったけど、どうやらやり過ごせたようで。

遠くからシャワーの音が聞こえた後、フタを開けられてやっとダンボールの中から解放される。
新鮮な空気を吸って、額に浮かんだ汗を拭った。


「スリル満点のかくれんぼはどうだった?」

面白がるようにニッと笑って私を見てくるソラ先輩。

「心臓が止まるかと思いましたよ。中身を言った上で話を逸らせるとは思いませんでしたし。
ところで、ラブドールってなんですか?犬ですか?」

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