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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り
玲亜さんは軽い握り拳で口元を隠ながら目を見開いていた。
「従兄弟くん怖ッ!」
「塑羅緒、それは言いすぎじゃねえ……?」
「じゃあ、どうして自分の彼女が貶されてるのに何も言わないんだよ」
ソラ先輩は怒鳴らないで静かに言った。
高校の時からどんな時でも私の味方をしてくれる。
相変わらず面倒見のいい先輩だ。
「いいんですよ、ソラ先輩。私が可愛くないのは事実ですし」
「そんなことねえよ。……でも玲亜だって可愛いから」
やっと私のことを気に掛けた颯太の最後の一言にグサッと胸に刺さった。
彼女以外の女を可愛いってなんだか嫌だ……。
でも颯太は優しいから同期である玲亜さんを庇ったんだ。
きっと、それだけなはず……。