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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を
不機嫌そうな声で颯太が話し掛けてくる。
「ごっ、ごめん。エッチな動画見てた」
即座にソラ先輩が起き上がって私の体全体を隠すように毛布を被せた。
「エロい声が聞こえたと思いきや、やっぱりそれかよ。他人が泊まりに来てる時くらい音量を自重しろ」
もしかして私の姿は見られてない……?
「悪かったよ。今日はもう見ないからゆっくり休んで」
「なあ、その毛布からはみ出てる髪の毛――」
ひっ……!やっぱりバレていた!?
「おまえって一緒に寝るほどそのドールが好きだったのな……」
「これ以上、他人の性癖に口を出すのはやめて欲しいんだけど」
「うるせえな。もう寝るから今度こそ邪魔すんなよ。明日は大事な面接なんだからな」
また助かった……?
隣の部屋に戻る足音が聞こえるとやっと緊張の糸が切れる。
薄暗い照明にしていたおかげで颯太は私がいることに気付けなかったんだろう。
鈍感な人で良かった……。