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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を

被せている毛布を肩まで捲り、穏やかな笑みを向けて私の様子を見るソラ先輩。

我儘を認めてくれて、最後まで隠してくれて。
私の意思を尊重してくれたんだよね……。

それに対して私はずるい女だ。

中途半端な優しさでどちらかを傷付けている――


その後、颯太が眠っているのを確認してから私とソラ先輩は忍び足で室外へ出た。
エレベーターに向かって通路を歩く。

澄んでいる月明かりが暗闇を仄かに照らしている。
冬の寒さをより一層引き立てるように、青白い光が街に降り注いでいるのが見えた。

「私がいたこと、颯太にバレていませんよね」

「大丈夫だよ。でも……乙羽さんはいい子だね。俺とは大違いだ」

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