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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り
「――――乙羽さん、あっちに行こう」
「あっ……」
痺れを切らしたソラ先輩に腕を引かれて少し離れた席に移動した。
いつの間にか乗っていた人が減って殆どの席が空いている。
彼氏と離れないように配慮してくれたのか颯太がギリギリ見える場所に座った。
緊張から解放されて少しだけホッとする。
「ありがとうございます……」
「地味だとか可愛くないなんて、ただの妬みだから気にすることないよ」
「はい……。でも、ソラ先輩がいて助かりました。私だけだったら耐えられなかったかもしれません……」
私とソラ先輩がいなくなって、さらに容赦なく颯太にスキンシップをしている玲亜さんの姿が見える。
腕を組んで胸を押し付けている。
そんなに触らないで…………。
悔しいけど、私が隣にいるよりお似合いだった。
それに玲亜さんが電車に乗ってきた時にした香水の匂い。
オリエンタルな香り。
颯太と一緒だ――――