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イケないキミに白い林檎を
第22章 Reminiscence
好意でお弁当を作っても食べてもらえず捨てられて、冷たくあしらわれても健気に振る舞う。
どんなに辛い仕打ちを受けても彼氏に嫌われたくないから笑顔でいる女主人公。
泣ける内容でもなかったのにほろりと涙が出てきた。
ドラマの主人公のやってることが、ソラ先輩のしてくれていることと似ていて。
今日は悪いことをしちゃったな……。
じわじわと反省する気持ちが湧き上がってくる。
テレビを消して、ベッドの上で体育座りをして顔を伏せた。
見守ってくれて、優しくしてくれるのは当たり前じゃない。
子供扱いされるのは腑に落ちないけど、いい所と悪い所の数字を足すと圧倒的にいい所が勝つ彼氏。
好きな人と一緒にいれて、一途に思ってもらえて、尽くしてくれる。
望んでいた幸せを手に入れたのに、彼氏の好意すら素直に受け取れないなんて私は可愛くない彼女だ……。
シュシュ……、素直にもらえば良かったのかな……。
プレゼントをくれた男の人はソラ先輩が初めて。
慣れない出来事に躊躇してしまう。
私がするお礼では足りないような物を贈ってくれるし……。
まず、体以外でどうやって男の人を愛せばいいのかよく分からない。
そして、今まで酷いことをした自分が幸せになっていいんだろうか……。