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イケないキミに白い林檎を
第22章 Reminiscence
「はぁっ……。はぁ…、昨日はごめんなさい。素直に受け取れなくてごめんなさい…っ」
傍に行って謝ると潤んでいた瞳から涙が一滴、二滴と次々に足元に落ちてくる。
「ああ……、大丈夫だよ。俺もしつこくして悪かったね」
「私こそ困らせてばかりでごめんなさい。それにもっと私を頼ってください。
どんなに重い話でも聞きますから、隠さないで何でも言ってください。だからっ……」
探している時に伝えようと思っていたことを息切れした状態で口にする。
膝に手を置いて休もうとしても動悸は一向に静まることがなかった。
おかげで言ってることがまとまっていない。
でもこれだけは言いたかった。
「死んだりしないでください!」
伝えるべきことを吐き出してから息づく。
すると頭をぽんぽんと優しく撫でられた。
顔を上げてみると、柔らかい笑みで私の顔をが見えるのを待っていた。
それでも何かを隠すように笑う顔……。