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イケないキミに白い林檎を
第22章 Reminiscence
「うっ……。違うん…ですか……?」
「もし、そうだとしたら俺は普通の生活さえできていないし、今頃ここにいないよ」
「それなら驚かせないでください!冗談にも程があります!」
泣き潰れた顔を離してソラ先輩をポカポカと叩いてから、再び抱き着いて目を閉じて安堵する。
良かった……。
殺してなんかいなかったんだ。
「ふっ、冗談のつもりで話したわけじゃないんだけどね。俺のせいなのは本当のことだよ」
「どういう事ですか……。私にも分かるように一から教えてください」
求めてもすぐに口を開いてくれなかった。
太陽が沈み、浅い川に映る月明かりがゆっくりと流れる水にきらりと映る。
「誰にも話したくないんだけど、乙羽さんにならいいかな」
その言葉の重さに何が隠れているのか唾を飲んで続きを待った。