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イケないキミに白い林檎を
第22章 Reminiscence

「今日は燈也の誕生日だったから、お墓参りに行ったりしていたよ。ずっと線香をあげに行けてなかったから」

「そうだったんですね。メッセージが既読にならないし、電話も繋がらなかったからどうしたのかと思いましたよ」

「ごめん。充電するのを忘れたまま寝落ちして家を出たもので」


スマホに依存してないのはいいことだけど、肝心な役割を果たしていないのは如何なものかと思う。

「またですか!連絡が取れなくて、どれだけ心配したか分かってるんですか。今日から必ず充電して寝て下さい!」

「分かったよ。気を付けるから」

苦笑いをしたソラ先輩は、頬を膨らませた私を向かい合うように膝の上に座らせた。
そのまま抱かれて、私も落ちないように首に腕を回す。

はぁ……、ここは落ち着く……。

大好きな居場所に癒されると、頬の膨らみはすぐに萎んでいった。


「ひとつ聞いていいですか?燈也さんが亡くなった時、ソラ先輩は大丈夫だったんですか。つらいと逃げ出したくなりません?」

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