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イケないキミに白い林檎を
第22章 Reminiscence
「冗談だから真に受けないでよ」
また分かりにくい冗談だ。
体じゃないなら、私はどうしてあげれば……――
その場に座り込んでいると、脇の下からグイッと引き上げられてまた膝上に対面で座らせられる。
ついでに上着の裾を元の位置まで戻してくれた。
「対価で払わなくとも、一緒にいてくれるだけで充分に伝わってるよ。今日だって心配して探してくれて、俺のことを受け止めてくれただろ。これも愛だと思わない?」
つまり、目に見えるものだけではないということなのかな。
でも私がソラ先輩のことを好きな気持ちはちゃんと伝わっていた……。
自分が無理をしなくても、愛してもらえるものなんだ。
「そうですね。でも、これじゃ……幸せすぎて怖くなります」