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イケないキミに白い林檎を
第23章 溺れた小悪魔と禁断の夜
「こんなに近寄らなくたって胸元は濡れないよ。カップルに間違われたらどうするの!」
「つべこべうるせえな。いいから遠慮しないで入れ」
肩を引き寄せられて体の一部が触れた。
私を雨から守ってくれるように傘を差してくれて。
イメージチェンジしたせいなのか颯太に不覚にもドキッとした。
新しい恋をしてから二度と変な気を起こさないと思っていたのに何をやってるんだ私は……。
「この辺で大丈夫だから。入れてくれてありがとね」
いつまでも颯太の隣ににいるわけにはいかない。
駅に続く横断歩道を渡って離れようとすると腕を引かれて止められる。
「なに考えてんだ。ここで抜けたら濡れるんだからまだ入ってろ」
「本当に大丈夫だから。走ればすぐそこ――」
「乙羽さん。颯太となにやってるの?」