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イケないキミに白い林檎を
第23章 溺れた小悪魔と禁断の夜
「これ以上教えたら刺されそうで怖いからオレは帰るわ。後で泣いて縋ってきても知らねえからな」
不吉なことを言い残して離れていく颯太を追い掛けようと一歩踏み出すけどすぐに立ち止まる。
冬の海に行った時と言い、私とソラ先輩が結ばれるのが面白くない颯太の戯れ言だと思いたい。
何より従兄弟の颯太より彼女になった私の方がソラ先輩のことをずっと知っている。
誰かの代わりとして私に接しているはずは――――
いきなり冷たい物が頬にピトッと当たってひゃっ!と声を上げると、ソラ先輩が隣にいてクスッと笑いながら買ってきた水をくれた。
「待たせてごめんね。あれ、颯太は帰ったの?」