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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
「可愛いよ」
何の変哲もなく褒めてくれて、唇にちゅっとキスをしてくる。
「この髪型の私を愛せますか?」
「ははっ、なに言ってるの?髪型が変わったくらいで好きな気持ちが変わるわけないよ」
声のトーンも普通で動揺する仕草もない。
こうして髪型が似てる説は見事に粉砕された。
次の日。
またソラ先輩よりも早くマンションに行って、黒い箱の中身があるか確認しようとした。
でも引き出しが引っ掛かって開かない。
良く見るとそれは鍵穴が付いている引き出しで。
後ろめたい気持ちがあるから、そこに隠していることが分かった。
「ただいま。乙羽さん、来てたの?」
玄関からソラ先輩の声が聞こえて急いでリビングに行って、おかえりなさいと出迎える。
「今日は最後の授業が休講になったので。真っ直ぐ来ちゃいました」
「それでも乙羽さんは最近うちに来るの早いよね。帰ったら誰かが待っていてくれるのって嬉しいな」