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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
出会ったのは高校一年の二学期だったはずだけど……。
「ふふふ……。彼氏さんの初恋の人がこのプリクラの女の子ねぇ……」
「マジか。塑羅緒の初恋は風子ちゃんだったのか。次に会った時にからかってやろう」
リピートされて顔が熱くなってくる私をニヤニヤしながら見てくる莉乃さんと海田先輩。
「えっと……、お騒がせしてすみません」
「それにしてもロマンチック!彼氏さんにめっちゃ愛されているね」
満面の笑みで喜んでくれる莉乃さんに手を握られても瞬きを多めにして呆然としたままだった。
記憶をなくしてからずっと欠けていた過去のピースが見つかって嬉しい。
初恋の人が本当に私だとしたら
ソラ先輩は私のことをずっと好きでいてくれたんだ……――――
偽りではなく本物だったと思うと心の底からホッとして目頭までも熱くなってくる。
零れた涙を隠すように顔を両手で覆った。
「でも彼氏さんはプリクラの女の子が風子ちゃんだってなんで教えなかったんだろうね?」