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イケないキミに白い林檎を
第25章 純愛青春は淫らな戯れへ
目の前で起こった一瞬の出来事。
その一連の流れが私の中ではスローモーションに再生されていた。
割れたのはすぐ近くの窓で、もう少し前へ進んでいたら私と大地くんは当たっていた。
私たち以外は近くに誰もいなかったおかげで被害者は出ていない。
透明なガラスの破片が廊下にたくさん散らばっていて、足を動かしたらそれを踏んでしまいパリッと音がした。
どうしてなのかドクドクドクッと心臓が激しく鼓動する。
「うわっー、やっぱりこうなったよー。風子ちゃんはガラスの破片当たってない?」
「…………」
チクッと痛みがした方を見てみると右腕から微量の血が出ていた。飛来したガラスの破片によって切れたのだろう。
でもその切り傷の痛みよりも、酷い寒気がして体が震える方がつらかった。