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イケないキミに白い林檎を
第25章 純愛青春は淫らな戯れへ
正体の分からない何かの大きな恐怖が頭の中を支配する。
両腕で自分の体を抱いて落ち着かせようとしても震えは止まらない。
「ふっ、風子ちゃん顔が真っ青だよ?保健室で休ませてもらおうか?」
「あっ…、……うっ、……」
大地くんに大丈夫だと伝えたいのに声が出なかった。
窓ガラスが割れた瞬間、急に脳裏に過ってきたのは暗闇に映る真っ赤な血の色。
目の前がどんどん赤く浸食されていく様子。
――『――ごめんね』
頭がズキズキと割れるほど痛くなっていくと共に、誰かの名前を呼んで謝る言葉が思い浮かんだ。
霞んでいてはっきりと分からない。
でも私はその人を必要としていた気がする。