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イケないキミに白い林檎を
第25章 純愛青春は淫らな戯れへ
ドアの向こうからソラ先輩の声がして、中に入るように返事をすると、何かに警戒しているみたいに少しずつ開けてくる。
「そんなに用心しなくても大丈夫ですよ」
一番会いたい人に会えて嬉しいはずなのに、まだ治っていないのか鼓動が大人しい。
触れられるくらいに近付かれても変わらない。
いつもあんなにドキドキしていたのに。
「この前はお騒がせしました」
「心配してたよ。熱があったんだって?今は下がった?」
私のおでこに触ろうとソラ先輩の手が近づいてくる。
「――――やめて!」
大好きな手のはずなのに、無意識に嫌気がさしてバシッと払い除けてしまった。
愕然としているソラ先輩を見て、なんてことをしてしまったんだろうと気付く。