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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占
まだ時間があるし、暇つぶしに幸路神社ってところに行ってみることにしよう。
彼氏と会えない時こそ、いかにひとりの時間を充実させるか重要だと思うし。
パワースポットに行って元気をもらってこよう。
そう思って、少し涼んだ後に本屋を出る。
まだ日が高くて外を歩くと汗ばむくらい暑い。
雑誌に載っていた神社に向かって歩いていると知り合いの姿が見えた。
目が合ってしまい、何も話さずに去っていくのもあれなので立ち止まるとその人が近付いてくる。
「……ソラ先輩、なんでいるんですか?」
「大学に忘れ物を取りに行って帰ろうとしてたところだったんだ」
「ばったり会うこと多いですし、私にGPSでもつけたんですか。怖いんですけど」
「偶然だよ。これからどこか行くの?颯太のとこ?」
こんなに暑いのに、太陽の熱を感じていないかのような爽やかな笑顔。
背中に氷を装備してるのかって言いたいくらい。