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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
今の私が愛されていなくても、この体だけは確実に愛されている。
「ああっ……、乙羽さん……」
悩まし気な声で今の私を呼ぶ姿が嬉しくて、繋がっている間だけは心が完全に満たされていた。
行為中に向けてくれている愛が今の私にまで浸透すればいいのに――――
「チョコ、もう固まったかな……。疲れた後には甘いものが食べたくなりますからぴったりですね」
そろそろチョコレートケーキの様子を見に行きたいところ。
でも気怠くてまだ休息していたい気分だった。
「うん、美味しい物を作ってもらえて嬉しいよ。最近、色々頑張ってくれてるね。ありがとう」
「付き合って一年目の日でもありますし、ご褒美に私が記憶を失う前のソラ先輩との思い出話を教えてください」