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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「それを聞いてくるのは今ので……十五回目だったかな」
思い出すように指折りするソラ先輩。
私自身、何回言ったのか覚えてないから正確な回数は分からない。
「随分と粘り強いね」
「当たり前です。両親も教えてくれないし、私が頼れるのはソラ先輩しかいないんです」
「そう言われるとうっかり口を滑らせてしまいそうだ」
もうひと押しだったか。
でも問い詰め続けてここまで来れたのは初めてだ。
「自分のことなのに教えてもらえないなんて悲しいです……」
「乙羽さんのことを考えて話さないんだよ」
「私のことを……?本当に考えてくれているなら今の私の意思を尊重して欲しいです」
「じゃあ、乙羽さんは窓ガラスが割れた時以外に何か思い出したことはあるかい?」