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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「具体的には何も……」
弱気に答えると指先でくびれをそっとなぞられる。
その指先が胸元までのぼっていくまで体がビクッと震え淫らな声が小刻みに漏れてしまった。
「思い出せないってことは、心が壊れないように自分で鍵を掛けている可能性があるんだよ」
「それってつまり……」
悪い意味で言っているんだろうか。
今の私が知らない方がいいから遠ざけている……?
「ご両親も俺も乙羽さんを大事に思ってるから分かって欲しい。……これ以上何も思い出さないでくれ」
忘れたままでいて欲しいとお願いしてくる割にはいつにも増して悲しそうな言い方。
本当は私に記憶を取り戻して欲しいのではないだろうか。
「ソラ先輩はそれでいいんですか?」