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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占

幸路神社に行くまでの道中、ソラ先輩は本当についてくるだけだった。
相変わらずこの人は何を考えているのか分からない。


木に覆われた場所にある長い石段を登るとその神社があった。

小鳥のさえずりが聞こえるほど静かで木陰があって涼しい。


一見どこにでもあるような古い神社だけど境内の一角にたくさんの絵馬が飾ってある。 
ざっと見てみると、恋愛成就の内容だらけ。

本屋で読んだ雑誌に書いてあったことは本当だった。


「乙羽さんは何か願掛けするの?」

「いえ、お参りするだけです。ソラ先輩は絵馬を書かないんですか?」

「俺は、……書かないかな」


私のことをストーカーしてるだけだからなんだろう。


呆れた顔で少し離れているソラ先輩に視線を向けた。

少し癖のある黒髪が風で揺れていて、綺麗なEラインの横顔が見える。

ここの景色ではなく、どこか遠いところを見ている感じがした。


暇なら彼氏がいる私じゃなくて、フリーの女の子と遊んだ方が有意義な時間を過ごせるのではないだろうか。


背も高くて容姿もいいのに勿体ないことしてるな……。

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