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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸

「記憶を失くす前の風子ちゃんは別の高校にいていじめられていたの。
加害者に窓ガラスを突き破るほど体を押されたせいで、ベランダのコンクリート部分に頭を強くぶつけたと聞いているわ。血痕はその時についたんでしょうね」


自分がいじめられていたなんて信じられない。

ましてや、こんな事故が起きるほど過激なものだったとは認めたくない事実だ。


「その衝撃で記憶喪失になったと思われていたけど、本当の原因は心にあるんじゃないかと医師が言っていたわ」

「もしかして、いじめられていたから?」


「ええ、そうよ。あと家庭の問題かしら」

この時、いつも明るい笑顔を振りまいているお母さんの悲しそうな顔を初めて見た。

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