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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸

「コンセントは……、っと……」

古いスマホに充電ケーブルを繋いでみると電源が入り起動させることができた。

四年前の夏ですべてが止まったまま。

私が記憶を失った後は新品のスマホを買いに行ったから触るのも四年ぶり。


映し出された待ち受け画面はソラ先輩の部屋で見つけたプリクラだった。

この時はどんな気持ちで撮ったんだろう。

笑っているし、待ち受け画面にするほとだから相当嬉しかったのだろうか。


さらに事故があった日までのメールのやり取りもしっかりと残されていた。


受信ボックスにはソラ先輩から届いたメールがずらりと並んでいる。

他には稀に颯太の名前があったくらいで女友達とメールをした様子はなかった。

女子高生なら女友達と頻繁に連絡を取り合っていてもおかしくないのに……。
もしかしたら、友達もいなくて寂しい学校生活を送っていたのかもしれない。


でもソラ先輩とはほぼ毎日メールをしていたようだった。

何気ないやり取りをしていたメールを見て堪えていた涙が頬を伝う。


そこには忘れてはならないことが残されていたから――――

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