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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「新しい記憶を作って上書きさせるために似たような物をあげたんだ。渡した時に何か思い出されるかヒヤヒヤしてたけど」
「実はこのピンクゴールドのネックレスをもらった時、似ている物を前に見た気がしていました。だから、これは思い出せていたってことになりますよね」
「逆効果だったみたいだな……。でも、それを思い出してもらえていたと知れただけでも報われた気分だ」
やっと作られた笑顔でなく、蟠りなく笑ってくれたソラ先輩。
その笑顔につられて私の涙も止まり、一緒に微笑むことができた。
冷たい部分があるのは知っていたけど、寂しい顔をさせていたのは私のせいだったのかもしれない。
彼は長い間私の前で本当の気持ちを偽り、隠し続けてきたのだから。
「ずっと私を守ってきてくれてありがとう、ソラ」
「えっ…………」