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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「これは付き合って一年目の日に渡せなかったプレゼント」
言われた通りに目を開けて触られていた手に視線を向けると、首元で輝いているネックレスのような光が見えた。
右手の薬指にはめられていたのはシルバーの指輪でソラ先輩も同じデザインのものをつけていた。
憧れていたペアリング。
初めてのお揃いの物であり、恋人の証。
「罰としてプレゼントはあげないって言ってたじゃないですか……」
「あれはからかっただけだよ。本当は記念日に間に合わなくて渡せなかったんだ。すぐに買えると思っていた俺が浅はかだったよ」
「ふふっ、ぶかぶかです」
指にフィットしておらず、手を振ると落ちてしまいそうな指輪を眺めて笑った。
私のことを想ってこの指輪を選んでくれたと思うと嬉しくて止まった涙がまた浮かんできそうだった。
「ごめん。サイズ直しができるみたいだから直してもらおうか」
「すごく嬉しいです。これって右につけるものなんですか?」