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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「この指輪は右手につけて。外さないとダメな時以外はつけていてくれると嬉しいな」
「分かりました。つけたままにしておきます」
「ありがとう。これからも俺の彼女でいてね」
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
おまけにキスまでプレゼントされて、まるで夢を見ているようだった。
好きと気付いた頃とは違う胸の高鳴りと心の温かさを感じる。
こんなに幸せな気分になれる出来事が未来で待ち構えていると過去の自分に教えてあげたいくらい。
歩きながら生まれて初めて薬指にはめた指輪をチラッと見て口元を緩める私。
「――――ねえ、風子」
「はっ、はい!って今、名前で呼ばれた気がしたんですが聞き間違いでしょうか……?」