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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
名前を呼びながら微笑んだソラ先輩が私の頬に触れようとした時……
――――『風子さえいなければ幸せになれたのに』
頭の中に嫌なものが思い浮かび、幻聴が聞こえると共にドクンと鼓動が大きく鳴った。
――『ひとりぼっちなんだからもういなくなればいいのよ』
――『あんたの存在自体が悪いんだから』
また叩かれて傷付けられる――――
「いや……!やめて!」
「いきなりどうしたの?」
「やだ……、ごめんなさい。ごめんなさい。……ごめんなさい。もう叩かないで……。叩かれたくない……」
寒気が走って体が小刻みに震え、頭が割れるように痛くなった私はその場でしゃがみこんだ。