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イケないキミに白い林檎を
第27章 禁じられた快楽
「まだまだ序の口ですよ。これから調べることがいっぱいありますし」
ため口ではなく敬語にして一線を引く私。
「でもここまで進めた乙羽さんはマジ天才。一緒に組めてラッキー!
ってか乙羽さん、ボクへの話し方が固くないですか?」
さらに榎森くんは敬語混じりで話してきてくれるから丁度いい距離感が保てそうだ。
それに悪い人でもなさそう。
「いえ、私はこっちの話し方の方が慣れてるので」
「そっか。確か乙羽さんは東高校出身だったけ。中学はどこでした?」
「北中ですけど……」
「おおー!ボクと一緒だ。同じクラスにはならなかったけど、中学から一緒だったとか運命を感じますね」
この人は一体何を言っているんだ。
偶然が重なっただけで運命?
記憶をなくす前から一緒にいてくれたソラ先輩の方が私の運命の人に決まっている。
榎森くんの社交辞令に愛想笑いをしながら心の中でそう思っていた。
いきなりインパクトのあることを言われて、これから二人で課題を進めていくのがなんとなく不安になった。