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イケないキミに白い林檎を
第27章 禁じられた快楽
「俺に会って大丈夫なの?」
困惑を隠すように控えめに微笑む整った顔、優しい声。
他の誰に会っても満たされることのなかった気持ちがやっと満たされる。
「ソラ先輩に会わないと心が落ち着きません」
「そうか……。俺も乙羽さんに会えなくて落ち着かなかった」
「この前はごめんなさい。決してソラ先輩のことを嫌いになったわけじゃないんです」
「俺の方こそごめんね。名前を呼んだせいで嫌な記憶を思い出させてしまって」
それは違うと否定してから触れなくなった理由と思い出したことをすべて話す。
複雑な家庭にいたこと、クラスメイトにいじめられていたこと。
でもソラ先輩は知っていたのかあまり驚いた顔をしなかった。
恐らく記憶をなくす前の私が話していたんだろう。
「触れなくなった私のことを嫌いになりませんか?」