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イケないキミに白い林檎を
第27章 禁じられた快楽
「やっぱり乙羽さんは強い子だね。記憶をなくす前も頑張っていたからな……」
頭を撫でようとしてくれたけど、触ってはダメだと思い出して手を引くソラ先輩。
本当は触れて欲しい。
触れ合って愛情を感じたい。
その思いが叶わないまま過ごしていくなんて絶対に嫌だ。
「私は悲劇のヒロインにはなりたくありません。だから、必ずこの痛みを乗り越えて幸せになってみせます」
「うん。できることは俺も協力するから」
記憶をなくす前の私が頑張れていたのもきっとソラ先輩のおかげだったんだろう。
どんなに苦しいことがあっても傍にいてくれたから。
そう思うと今すぐ抱き着きたくなるほど心が温かくなってきた。
でも今は胸に飛び込むことさえも怖いから口から伝えることにする。
「ありがとうございます。……大好きです」