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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「これから用事があるから他の日ならいいですよ。あと他の友達も誘いましょう。秋の仲の良い女友達は誰でしたっけ?」
「ボクは風子だけを誘ってるんですけど」
「二人っきりで出掛けるのはごめんなさい」
「課題の調べ物をしようと思って誘ったのにダメとかきついなぁ。風子は彼氏に束縛されすぎです」
発表する日までまだまだある。
他の人は授業内でしかやらないのに、秋はどうしてこの課題を頑張ろうとするのか不思議だった。
それに束縛されてるから一緒に出掛けるのを断っているわけではない。
自意識過剰かもしれないけど秋に下心がありそうな気がするし、これ以上踏み込まれては困る。
他に必要以上に関わろうとする動機と言えばあの可能性が残されていた。
「もしかして秋も記憶を失う前の私を知ってるとか……?」