この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「え!?記憶喪失になったことがあるんだ……。ボクが風子をよく知ったのは課題を一緒にやるようになってからですよ」
「嘘ついてない?」
「そんなこと言う訳ないじゃないですか。中学から一緒でも風子と初めて話したのは大学生になってからですし」
「そっか、疑ってごめんなさい……」
つまり秋とは大学生になってから出会ったも同然ということ。
ソラ先輩のように私が記憶をなくす前から関わっていたわけではないようでホッとした。
でもそうなると下心があるから私に関わってくるのだろうか。
何か企むような悪い人ではなさそうだし、同級生からも評判がいい。
おかげで秋と話しているところを同じ学科の人に見られると、付き合ったら?っと冷やかされたりする。
「だから親睦を深めるためにも出掛けよう。風子の事をもっと知りたいです」