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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「授業の時に教えますので。私はこれからデートだから行きますね」
ここまで言えば諦めてくれるだろうと思って大学の玄関を出る。
それでも秋は私について来て話を続けた。
「彼氏を見てみたいなー」
「見るも何も私の彼氏は生徒会長だったんだから秋は顔を知ってるじゃないですか」
「挨拶くらいしてもいいじゃん。ボクも風子の彼氏の後輩なんですし、不自然じゃないです」
他の男を連れて彼氏に会うのは私からすれば不自然だ。
恋の行方を不安にさせる種を持ってきましたよと言っているようなもの。
「生徒会長だったとは言え、生徒全員の顔を知っているわけじゃないと思いますし、いきなり挨拶されてもびっくりすると思いますから」