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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「大丈夫ですよ。同じ学校出身なんですから打ち解けられます」
なぜそこまで大丈夫と言い切れるのか分からない。
このままでは埒が明かずに待ち合わせ場所に到着してしまう。
秋を連れたままソラ先輩に会うのだけは避けたい。
「ごめんなさい。とにかく、また明日!」
別れの挨拶を言い放って秋の傍から走って離れた。
ただの友達に冷たくするのは間違っている気がするけどこれも一線を引くため。
少し心苦しさもあるけど、後ろを振り向かずに待ち合わせをしている駅へと向かった。
駅に近付くと私に気付いたのか小さく手を振ってくれるソラ先輩の姿が見えた。
秋風の寒さにびくともしていない爽やかな笑顔。
マンネリしている様子もなく、いつも笑顔で迎えてくれるから私も顔がほころぶ。
「乙羽さん大丈夫?疲れた顔をしてるよ」