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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
なかなか寝付くことができない夜を過ごして瞼が重いまま大学へ行く。
昼を過ぎてもソラ先輩から何も連絡がない。
気持ちを整理したいと言われたらどれくらい待てばいいのだろう。
ソラ先輩と一緒に過ごす時間の流れは早いのに、今は一分一秒がとても長く感じる。
時計の針を強引に未来へ進ませたいと思うほど。
今度こそ振られてしまいそうで気が気じゃなかった。
ノートに何をメモしたのかも覚えていないくらい頭の中がその不安でいっぱいになっている。
「機嫌悪そうだけど昨日のデートでなにかありました?」
授業が終わってから机に伏せていると秋が隣に座って心配そうに声を掛けてきた。
これ以上、深入りされないように何もないと私は首を横に振る。