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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「大切にしていた彼女に振られたんです。いつも一緒にいたから、心に穴が空いたみたいでつらくて」
私も颯太と別れた時にその寂しさを経験していたから同情してしまう。
きっと秋は誰かに支えてもらいたい時。
恋人がいる私にはできることが限られているけど、せめて肩くらいは貸してあげてもいい。そう思って静かに秋を受け止めた。
久しぶりに感じる人の温もりに抱いてはならない感情を芽生えてしまいそうになる。
「ここまで優しくされると風子を好きになってしまいそうですよ」
秋が私を好きに……――――
好意を言われても嫌な気持ちにならなかった。
話し掛けられているうちに私も秋に心を許すようになったんだと思う。
「寂しさを埋める相手は私じゃなくてもいいじゃないですか。秋は女子からも評判いいですし、すぐに新しい彼女ができますって」