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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
颯太の目付きが悪いから迫力があったのか、秋は何も反論することなく引き下がり、また明日と言って帰って行った。
「私は颯太に何の用事もないんだけど……」
「まさかおまえも浮気するとはな。ついに嫉妬深い彼氏が嫌になったのか?」
「さっきの人は大学の友達だからそういう関係じゃない……」
一線を越えそうになったから危なかったけど……。
「記憶を取り戻せないから愛してもらえなくなって、他の男と手を繋いで寂しさを紛らわしてたのか」
悪事が見られていたようで言い返すことができなかった。
浮気をした人に責められて腹立たしいけど、今悪いことをしようとしているのは私だからぐっと怒りを堪える。
「喧嘩でもしたか?なにか理由があんだろ」