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イケないキミに白い林檎を
第28章 ふたりのしあわせ
「なるほどな。中学生の頃から関わっていたオレや塑羅緒には触れなくて、新しく知り合った奴には触ることができると」
「違う。あの人以外は誰にも触れないの」
きっと秋は私にとって特別な人だから……。
つまらなそうな顔をした颯太はズボンから財布を取り出して近くの手摺りの上に置いた。
「あーあ、腹減った。すぐそこの弁当屋で唐揚げ弁当を買ってきてくれ。風子の好きな物も買っていいぞ」
そのお店はおばちゃんがいて、食券を買う機械もない。弁当を買うには手渡しを避けられないお店だった。
「え!?セルフレジじゃないから無理」
「なに甘ったれたこと言ってんだ。それとも、さっきの男と手を繋いでいたことを今ここで塑羅緒に教えてもいいのか?」