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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore

また寝つきの悪い朝を迎えて目が重たい。

メッセージの履歴を見ると私が送った内容は一応見ていたようだった。

既読無視……。

スマホを枕元に置き、窓の方を見るとカーテンの隙間から眩しい光が漏れる。

寒くて布団から出たくないけど、大学に行く時間が迫ってきたから仕方なく起きた。

出掛ける準備をしてから朝ご飯を食べにリビングに行く。


「おはよう風子ちゃん。目が腫れてるけど大丈夫?朝ご飯を食べて目を覚ましてね」

ダイニングテーブルに置かれた朝ご飯はカレーだった。

どうして落ち込んでいる日に限って思い入れのある料理が出てくるんだろう。

スプーンで茶色いルーを搔き分けて具材を探す。
じゃがいもは、……入っている。

お母さんの作るカレーには必ず入っているのに、あの人の作ったカレーを食べたせいで探してしまう。


このままではダメだ。

ソラ先輩のことばかり考えていたら何も手がつかないから切り替えないと……。

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