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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
大学に着いてから女友達の前では元気を装って過ごす。
どんなに面白い話を聞いても私の気持ちはずっと落ち込んだまま。
ソラ先輩と別れたら私は一体どうなるんだろう。
今度は秋に慰めて欲しいと頼ってしまうのだろうか。
また同じことを繰り返しているようで自分にうんざりしてしまう。
授業を終えてからロッカー室に向かうと、昨日秋に話し掛けていた女の子とすれ違った。
私には何も用事はないだろうと思って無言で通り過ぎたら、その女の子は戻って来て私の肩をトントンと叩く。
「ねえねえ、乙羽さん。ちょっといい?秋のことで話があるんだけど」
「なんでしょう……」
「乙羽さんって秋と仲がいいじゃん。だから、あたしがいい女だって秋に言って欲しいの」