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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
いつかこう言う話がやってくると思っていた。
昨日、秋と女の子が話しているところを隣で見ていた時にそんな気がしたから。
でも今は自分のことでいっぱいで他人の恋愛に協力する余裕はない。
「はい。言っておきますね。頑張ってください」
無難な返答をして女の子の前から立ち去ろうとすると待つように再び足止めされる。
「協力してくれるって言ってくれてもいいんじゃない?それとも乙羽さんも秋のことが好きなの!?」
「え……。それは……」
「指輪をしてるってことは彼氏がいるんでしょ。二股するなんてずるくない?」
「違う……。私は……」
「はっきり言わないってことはやっぱり好きなんだ!この浮気女ッ!」
怒った女の子は持っていたバッグで私をバシッと叩いてから走り去っていた。