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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占

「恋人なんだろ。しっかり向き合った方がいいよ」

「…………はい」


その通りだ。

思っていることを言うのが怖くて、聞いてもらえないと思って諦めていた。

そうやって逃げていたのかもしれない。


向き合う時間を設けて、私の思っていることを颯太に知って欲しい。
今すぐ話し合いをしたい気分だ。


その念が通じたのかここから少し離れたところを颯太が歩いていた。

仕事に行く時はスーツを着ているのになぜか私服。

違う人なのかと思ったけれど見間違いではない。


「あれは颯太ですよね?どうしているんでしょうか」

「今日は出張だったんだろ?」


「はい。明日に帰ってくるって言ってたんですけど、私の聞き間違いかな。
もしかしたら仕事が早く終わったのかもしれませんね。こっそり追って驚かします」


「いってらっしゃい」

「ありがとうございます。行ってきます」

ソラ先輩に一礼してから颯太の元へ向かって走った。

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