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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占
颯太に気付かれないようになるべく静かに歩く。
人混みに紛れながら、少し距離を置いて追った。
どのタイミングで驚かそうかと迷っているうちに、電車に乗ってどんどん先へ進んでしまった。
住んでいるアパートに向かっているから帰るところだったようだ。
追うのをやめてスマホを取り出してメッセージを送る。
【出張終わったの?今日遊びに行っていい?話したいことがあるの】
すると、すぐに既読になって返信がきた。
【よく分かったな。早く終わった。オレも話があるから来て欲しい】
…………?
何のことだか分からないけれど、颯太も私と話し合いたかったようでやっと向き合って話せる機会ができた。
時計を見るともう夜ご飯の時間。
仕事帰りの颯太はまだ何も食べていないと思って、スーパーで食料を買ってからアパートへ向かった。