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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore

「色々考えたけど、……俺たちは一緒にいない方がいいのかもしれないね」

胸がズキッと痛むよりも深い衝撃が体全身に降り注ぐ。
現実を直視した台詞を聞いて私は唇をきつく結んだ。


「乙羽さんにとったら俺はフラッシュバックする材料だし、多分これからも一緒に居続ければたくさん傷付けて困らせる」

違うと首を振った時には滲んでいた涙が頬を伝っていた。

「私だってソラ先輩のことを傷付けてばかりです。今までたくさん迷惑を掛けてきましたし、この前だって秋に触れられて不安にさせてしまいました……」

「ああ……。この前は取り乱して疑ってごめんね……」


「謝らないでください。でも普通にレジでお金を受け取れたから、秋だけが触ることができるってわけではないんです。
記憶をなくす前のことを知っていた人を私は無意識に避けてしまうみたいで……」

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