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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore

起きた時はソラ先輩と同じベッドで寝ていた。
恐らくここまで運んでくれたんだと思う。

ここ最近、寝不足だったからぐっすりと眠れたし、重かった瞼も元に戻っていた。


ソラ先輩がベッドの端で寝ているあたり、私に色々と気遣ってくれたのだろう。

風邪を引いているのに申し訳ないなと思いつつ、ソラ先輩の肩まで布団を掛ける。


愛おしい彼氏の寝顔に手を近づけてみたけれど、やはり怖くて引っ込めてしまう。

ここで触れたら良かったと惜しみながらも自然と柔らかな笑顔になれる朝。


「大好きです……。いってきます」


起こさないように小さく呟き、授業が終わったらまた来るとメッセージを送ってから大学へ向かった。

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