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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
否定して欲しいのが伝わってくるほど強く抱き締められた。
何度抱き締められても自分から求める気持ちにはならない。
肩を優しく押して離れるように促すと秋は切なそうな顔をしていた。
「風子は真面目ですし、ボクに純粋な気持ちで肩を貸してくれたじゃないですか」
「苦しい時は誰かに傍にいて欲しいものですよね。それに、失恋した時の私に秋が似ていたから……」
「ボクが風子に……?」
「失恋して苦しかった時に今の彼氏が傍にいてくれたおかげで私は救われました。だから、私は秋にそうしてあげたかったんだと思います」
「好意じゃなくて、同情か……」
「ごめんなさい。さっき言ったことも全て本当のことです」