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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
「彼氏は付き合う前に風子がしていたことを知ってるんですか?」
「はい。こんな私に体を安売りするなと怒ってくれて、全てを受け止めてくれました。
だから、他の誰にも彼氏を超えることはできません」
「あはは……。風子までそう思っているなら、いくら頑張ってもボクは彼氏に敵わないわけか……。もう少しでいけると思ったんですけどね」
声が震えている上に、無理をして笑っているように見えた。
秋を悲しませてしまって心がチクリと痛む。
でも一番悲しませたくない人のためを思うと仕方がないことだと潔く受け入れられた。
「好きになってもらえて嬉しかったです」
「邪魔をして悪かったですね。彼氏とお幸せに……」
「はい……。秋も幸せになってください」
また同情してしまわないように涙を堪えて笑った。
これからは普通の友達でいることを約束した私と秋。
教室を出ようとしてドアを開けると揉め事を起こした女の子が立っていた。
「――――やっぱり浮気女じゃん」