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イケないキミに白い林檎を
第29章 in flore
昨日の嫌な出来事を思い出させるように向けてくる険しい目つきに背筋が凍り付く。
「抱き合ってるところ見たから。秋はそのクソ女のどこがいいの!?」
声を荒げる女の子が怖くて体が震えてくる。
発作は治まったはずなのにまた頭が痛くなってきて呼吸が苦しい。
喧嘩腰に女の子が詰め寄ってきた時、秋が庇うように私の前に立った。
「風子は全然悪くない。ボクが一方的に抱きついていただけだ」
「彼氏がいるの分かってやってるの!?秋がそんな男だなんて思ってなかった!」
「っ……!やめろって!」
秋が私の代わりに平手打ちをされたり、拳で叩かれている。
その光景を見ていたら傷付けられていた過去の記憶が蘇ってきて涙が零れた。
「やめてください……!」